スクワットの担ぎ方と靴の選び方 ──「骨格差」を味方にして、フォームを安定させる
前回の記事
ハイバー/ローバーの整理
では、「どっちが正解?」という話ではなく、バー位置によって体の角度・関節の使われ方が変わる、という整理をしました。
今回はその続きとして、現場で一番つまずきやすい
「担ぎ方(バー位置)」と「靴(かかとの高さ)」に焦点を当て、フォームを安定させる考え方をまとめます。
結論:担ぎ方も靴も「ミッドフットに乗れるか」で選ぶ

スクワットで一番大事な基準はシンプルです。
- バーが上下する軌道がミッドフット(土踏まずの真上)に乗る
- その状態で、無理なく深さを出せる(または狙った深さに近づける)
「ハイバーが男らしい」「ローバーが強い」といった印象論より、
あなたの体でミッドフットに乗れる選択を優先した方が、結果的に伸びます。
まずは担ぎ方:バー位置で体の角度はほぼ決まる
ハイバースクワット(バーが高い)

- 上体が比較的立ちやすい
- 膝の曲げ伸ばしが増えやすい
- 深さを出しやすい人も多い(ただし足首が硬いと詰みやすい)
ローバースクワット(バーが低い)

- 上体が前傾しやすい
- 股関節主導(ヒップヒンジ)が強くなりやすい
- 足首が硬くても成立しやすいが、肩や手首の柔軟性は要求されやすい
担ぎ方の違いは好みではなく、骨格や柔軟性によって向き不向きが出るという点が重要です。
靴の役割:かかとの高さは「足首の硬さの補助輪」
足首が硬い人ほど、しゃがむほどにかかとが浮きやすい傾向があります。
- 腰が丸まりやすい
- 上体が必要以上に前に倒れる
- バー軌道がミッドフットからズレやすい
そこで有効なのが、かかとの高い・底の硬いシューズです。

- 足首の背屈を少し補助できる
- 上体を立てやすくなる
- ミッドフットに乗りやすくなる人が多い
※クッション性の強いランニングシューズなどは、踏ん張りが逃げやすいため基本おすすめしません。
腿が長い人がハイバーで苦しくなりやすい理由
大腿(腿)が長い人は、同じ深さを狙うと前傾しないとミッドフットに乗りにくい構造になりやすいです。

これはフォームが悪いのではなく、体の比率(テコ)の問題です。
工夫①:ソールの高い靴で「比率」を補正する

- 膝下の長さを“少し”補いやすくなる
- 相対的に腿が短く見える状態になりやすい
- 結果として、上体を立てやすくなる人が多い
工夫②:足幅+外旋(膝を割る)で「腿を短く見せる」

膝を割る(股関節を外旋する)と、側面から見たときに腿が短く見える状態を作りやすくなります。
結果として、ミッドフットに乗ったまま上体を立てやすくなる人がいます。
※ただしこの方法は股関節の柔軟性とコントロールが前提です。
「やれば誰でもOK」ではなく、合う人にとって強い選択肢、という位置づけで使ってください。
まとめ:今回の結論
- 担ぎ方(ハイバー/ローバー)は骨格と柔軟性で向き不向きが出る
- 靴(かかとの高さ)は足首の硬さを補助し、ミッドフットに乗せやすくする
- 足幅+外旋(膝を割る)は有効だが、柔軟性と制御が前提
- 最終判断は「ミッドフットに乗れているか」でOK
次回予告:スクワットの「深さ」を整理する
スクワットでは、担ぎ方や足幅だけでなく、
「どこまでしゃがめばパラレルなのか?」
「フルスクワットとの違いは何か?」
で迷う人も非常に多いです。
次回の記事では、スクワットの深さ(パラレル・フル)について、
「太ももが床と平行に見えるかどうか」ではなく、
股関節と膝の位置関係から整理して解説します。
「床と平行に見えればOK」という誤解を避けたい方は、
こちらの記事を続けて読むと、理解が一気に整理されます。
※フォーム動画や画像を交えながら、「大会基準」と「実用基準」の違いも整理しています。

コメント