トップ選手のフォームは真似すべきか

トレーニングを続けていると、
一度は必ずこう思います。

「トップ選手のフォームを真似すれば、
自分も伸びるのではないか?」

YouTubeやSNSには、
世界レベル・国内トップレベルの選手のフォームが
いくらでも出てきます。

確かに、
見る価値はあります。

ただし、
そのまま真似していいかどうかは別問題です。


パワーリフターの場合:レベルが上がるほどフォームは洗練される

まず競技リフターの話から。

パワーリフティングでは、
レベルが上がるほどフォームが「綺麗」になる傾向があります。

  • 地方大会レベルでは、250kg前後を素質とパワーで引く人もいる
  • 全日本クラスになると、無駄の少ない再現性の高いフォームが増える
  • 世界レベルでは、ほとんどの選手が理にかなった動きになっている

これは偶然ではありません。

高重量を安定して再現し続けるには、
雑なフォームでは生き残れないからです。

実際、世界トップクラスの選手たちは、
「教科書的」と言っていいほど洗練されたフォームをしています。

この意味では、

世界レベルの競技フォームには
見習うべきポイントが非常に多い

これは間違いありません。


ただし「達人フォーム」は別枠で存在する

一方で、
同じトップレベルでも少し異質なフォームも存在します。

  • 胸が競り上がるような独特なベンチプレス軌道
  • 肩甲骨の使い方が一般的な解説と異なるように見える動き

こうしたフォームは、
いわゆる達人型です。

成立しているのは事実ですが、

  • 可動域
  • 身体の柔軟性
  • 神経制御
  • 経験値

すべてが高いレベルで噛み合って、
初めて成立しています

多くの人がそのまま再現しようとしても、
同じ結果にはなりません。


フィジーク・ボディビルの場合はさらに別物

ここからはフィジークやボディビルの話です。

トップレベルの選手の中には、
一見すると

  • 危なそう
  • 教科書と違う
  • 関節に負担がありそう

と感じるフォームを使う選手もいます。

これは、

  • 筋量による安定性
  • 関節周りの強さ
  • 長年の積み重ね

があるから成立している可能性が高い。

「この動きは絶対NG」と言い切れないフォームが存在するのは、
こうした前提条件があるからです。


成立条件を無視すると事故る

問題はここです。

トップ選手のフォームだけを切り取って、

  • 同じ重量
  • 同じ可動域
  • 同じ意識

で真似するとどうなるか。

多くの場合、

が先に悲鳴を上げます。

トップ選手は、
危ない動きをしているのではなく、

危ないゾーンをコントロールできている
という状態に近い。


結論:真似していいのは「形」ではない

  • トップ選手のフォームは「参考」にはなる
  • ただし、そのまま真似るものではない
  • 見るべきなのは「なぜ成立しているのか」
  • どんな前提条件があるのか

フォームは、
結果であって、原因ではありません。

これを理解しないまま真似すると、
伸びるどころか遠回りになります。


次につながる問い

  • なぜ達人のフォームは成立するのか?
  • なぜ普通の人には再現できないのか?
  • フォームとは「正しさ」なのか、「結果」なのか?

この続きが、
「達人のフォームはなぜ成立するのか」
につながります。

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