はじめに
サイドレイズというと、
- 「肩だけで上げろ」
- 「僧帽筋を使うな」
- 「肩甲骨は動かすな」
といった言葉をよく耳にします。
確かに、
すくめるように上げると首ばかり疲れたり、
肩が痛くなることもあります。
一方で現場や動画では、
- 肩甲骨を寄せたまま上げる
- リラックスポーズからそのまま上げる
- 変に力まず、形を崩さずに腕を広げる
こういったやり方も、実際によく見かけます。
一見すると
「どっちが正しいの?」
と思いますが、
ここには身体の構造上の理由があります。
肩は「肩だけ」で動いていない
腕を横に上げる動き(外転)は、
三角筋中部だけの仕事ではありません。
実際には、
- 腕の骨(上腕骨)が動く
- それに合わせて肩甲骨も動く
という連動した動きになっています。
この関係は
肩甲上腕リズム
と呼ばれています。
難しく聞こえますが、意味はシンプルです。
肩を横から真上まで上げたつもりでも、
腕だけが動いているわけではなく、
肩甲骨も一緒に斜め上へ動いている
よく言われるのが
2 : 1 という比率で、
- 腕:約120度
- 肩甲骨:約60度
という役割分担になっている、という考え方です。
リラックスポーズから上げると、何が起きているか
リラックスポーズというのは、
- 胸を張りすぎていない
- 肩周りがガチガチに固まっていない
この状態です。
ここから腕を上げると、
- 肩甲骨は寄ったまま安定しつつ
- 動きとしては、自然に斜め上方向へ関与する
という形になりやすい。
これは
「肩甲骨を動かそう」と意識しているわけではなく、
結果としてそうなっている状態です。
注意点:上方回旋しっぱなしは別の話
ここで大事な補足があります。
リラックスポーズ=
肩甲骨を上方回旋させっぱなしで固定する
という意味ではありません。
もし、
- 肩甲骨を上に乗せたまま
- 肩関節の外転(腕の動き)だけで
- 三角筋中部だけを狙って上げようとする
こうなると、
- 肩関節へのストレスが増えやすい
- 動きが不自然になりやすい
というケースも出てきます。
「効かせよう」としすぎて
関節の動きを削ってしまうと、
結果的にケガのリスクが上がることもあります。
固めすぎても、緩めすぎてもダメ
サイドレイズが難しいのは、
- 固めすぎても動かない
- 緩めすぎても安定しない
という、
ちょうど中間を探す必要がある点です。
- 肩甲骨は寄ったまま安定
- ただし、動きの中で自然な連動は起きる
この状態が作れると、
- 重量が伸びやすく
- 肩に刺激が入り
- 首や関節の違和感も出にくい
というケースが多くなります。
結局、どれが正解なのか?
サイドレイズに限らず、
- 有名選手のフォーム
- 教科書的な説明
は、あくまで結果としての形です。
本当に見るべきなのは、
- 無理なく
- 安定して
- 繰り返せて
- 伸びているか
リラックスポーズから始めて
肩甲骨を寄せたまま安定させ、
自然な動きで重量が伸びているなら、
それは十分「良いフォーム」です。
まとめ
- 肩は三角筋中部だけで動いていない
- 肩甲上腕リズムにより、肩甲骨も関与する
- 肩甲骨は「固定」より「安定」と考える
- 上方回旋しっぱなしで三角筋だけ狙うのは別問題
- フォームは操作するものではなく、結果として整うもの

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