デッドリフトで広背筋は「引く前」に決まる
デッドリフトは「広背筋の種目」と言われることがあります。
ただ、実際にやっていると
- 広背筋に効いている感じがしない
- 腕や腰ばかり疲れる
- 背中を使えと言われても分からない
こう感じる人も多いはずです。
その理由はシンプルで、
広背筋は「上げている最中」に使おうとしても遅い
からです。
前回の復習:いきなり引くと、準備ができていない
前回の記事では、
「デッドリフトで腰を守りたいなら、いきなり引くな」
というテーマで、
- バーとプレートのすき間
- カチャ音の正体
- 上げる前に一瞬「引く」必要性
を解説しました。
まだ読んでいない方はこちらから。
▶ 前回の記事:デッドリフトで腰を守りたいなら、いきなり引くな
実はこの「いきなり引かない動き」こそが、
広背筋が参加するかどうかの分かれ道
になります。
広背筋は「引き上げる筋肉」ではない
まず前提として、
広背筋は、バーを上に引き上げる筋肉ではありません。
主な役割は、
- 腕と体幹をつなぐ
- バーを身体に引きつける
- 上半身を安定させる
つまり、
「力を出す前の準備」に関わる筋肉
です。
肩が上がっていると、広背筋は使えない
デッドリフトのスタート姿勢で、
肩(肩甲骨)が上がったままの状態
だと、どうなるか。
肩が上がったスタート姿勢。広背筋が伸び、背中が丸まりやすい
- 広背筋が伸びたまま
- 背中が曲がりやすい
- バーと身体が離れやすい
この状態では、
広背筋はほぼ参加できません。
「引く前に、少し力む」と何が起きるか
ここで重要なのが、
上げる前に、ほんの少し引く動き
ただし、力みすぎると肩に力が入り、肩甲骨が上がってしまうので注意が必要です。
※ここで言う「少し力む」は、肩をすくめることではありません。
バーの遊びを取る程度の、ごく小さな張力を作るイメージです。
もう少し正確に言うと、
肩を「上に」入れるのではなく、後ろ方向(肩関節の伸展)にほんの少し力が入る
感覚です。
この動きによって、
- 肩甲骨は自然に下がり
- 胸を張ろうとしなくても
- 広背筋が入りやすい位置が作られます
前回の記事で説明した、
- バーのすき間を埋める
- カチャ音が出る直前
この瞬間に、
引く前に肩が下がり、広背筋に張力が入った状態
- 肩がわずかに伸展する
- 肩甲骨が下制・下方回旋する
という動きが起きます。
これが、
広背筋が収縮し始める合図
です。


広背筋は「意識して使う」ものではない
よくあるアドバイスに、
- 広背筋を締めろ
- 脇を絞れ
がありますが、
これを上げながらやろうとすると失敗します。
理由は単純で、
広背筋は、力を出す前に勝手に入るもの
だからです。
正しい順番は、
- 立ち位置が整っている
- 上げる前に少し引く
- 肩が自然に伸展する
- 結果として広背筋が入る
この順番を守ると、
意識しなくても広背筋は働きます。
動画で確認:広背筋が入る瞬間
まとめ
- 広背筋は「上げながら使う筋肉」ではない
- 引く前の一瞬で、役割が決まる
- 肩が自然に伸展すると、広背筋は入る
- 順番が合えば、意識はいらない
デッドリフトで大切なのは、
どの筋肉を使うかではなく、どの順番で動くか
です。


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