エフェクティブセットは本当に必要か? ── 「最後の数回だけが意味がある」という誤解

はじめに

最近よく聞く言葉に
「エフェクティブセット」があります。

簡単に言うと、

限界付近の、
あと数回しかできないレップだけが
筋肥大に本当に効いている

という考え方です。

これを聞いて、
• じゃあ途中の回数は意味ないの?
• 毎回ギリギリまでやらないとダメ?
• 追い込まないトレーニングは無駄?

と不安になる人も多いと思います。

結論から言うと、
半分は正しくて、半分は誤解です。

エフェクティブセット理論の「正しい部分」

まず、否定から入りません。

エフェクティブセットの考え方は、
• 高閾値運動単位(いわゆる速筋)
• 強い機械的張力

が動員されやすい、という点で
理屈としては筋が通っています。

実際、
• 限界近くのレップほど
• 筋肥大刺激が強くなりやすい

これは多くの研究でも支持されています。

ただし、ここで起きやすい誤解

問題は、ここからです。

エフェクティブセットが話題になると、
こう解釈されがちです。

「最後の数回以外は、ほぼ無意味」

これは かなり乱暴 です。

現実のトレーニングで起きていること

例えば、
• 5回×10セット
• 8回×2セット
• 10回×3セット

これらを全部
「エフェクティブセット何回か」
だけで評価すると、

実際のトレーニングの質が見えなくなります。

理由は単純で、
• フォーム
• 再現性
• 疲労管理
• 次回への繋がり

こういった要素が、
エフェクティブセット理論では
ほぼ語られないからです。

BIG3で特に問題になりやすい点

BIG3(スクワット・ベンチ・デッド)では、
• 限界に近づくほど
• フォームが崩れやすい
• ケガのリスクが上がる

という特徴があります。

つまり、

エフェクティブレップを稼ごうとして
BIG3を毎回ギリギリまでやる

これは、
理論的に正しそうで、現場では破綻しやすい
やり方です。

「質の高いレップ」は1つの軸

ここで視点を変えます。

最近では、
• VBT(挙上速度管理)
• 出力・スピード重視

といった考え方も出てきました。

これは、

遅くて重い1レップが最強
とは限らない

という発想です。

つまり、
• 速度が極端に落ちていない
• 出力が保たれている

こうした 質の高いレップ も
筋力・筋肥大の刺激になり得ます。

エフェクティブセットが「合う人・合わない人」

エフェクティブセットを強く意識して
うまくいく人も、確かにいます。

ただし、多くの場合、
• 回復力が高い
• ケガをしにくい
• トレーニング経験が長い

こういった条件が揃っています。

一方、
• 初心者
• 停滞中の人
• フォームが不安定な人

にとっては、

エフェクティブセットを追いすぎること自体が
停滞の原因になる

ケースも少なくありません。

現場感覚としての結論

現場で見てきた限り、
• 毎回ギリギリまで追い込まなくても
• 筋力も筋量も伸びている人

は、かなりいます。

特に、
• 余力を残したセットを積み重ねる
• フォームが崩れない回数帯を使う
• ボリュームを安定して積む

こうした人の方が、
長期的には伸びやすい印象があります。

まとめ
• エフェクティブセットは「一部は正しい」
• ただし、それだけが全てではない
• 質の高いレップ × 適正ボリューム
でも筋肥大は十分起こる
• BIG3では特に、追い込みすぎはリスクが高い

エフェクティブセットは
使いどころを選ぶ概念であって、
絶対ルールではありません。

次の記事では、
この話と直結する

BIG3だけで足りないものは確実にある

に進みます。

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