肩甲骨を寄せる・寄せない論争を整理する
── ベンチプレスで本当に見るべきポイントはどこか
はじめに
ベンチプレスのフォームについて調べると、
必ずと言っていいほど出てくるのがこの話題です。
- 肩甲骨は寄せるべき
- いや、寄せすぎると胸が使えない
- トップでは開いた方が強い
- ずっと寄せっぱなしでいいのか?
情報が多すぎて、
「結局どれを信じればいいのか分からない」
と感じた人も多いと思います。
この記事は、前編である
「ベンチプレスのフォームが崩れる本当の理由」
を読んだ上で続けて読むと、より理解しやすい構成になっています。
まず結論:この論争に「唯一の正解」はない
先に結論を言います。
肩甲骨を寄せるスタイルでも、
寄せない(寄せすぎない)スタイルでも、
成立する人は成立します。
問題は、
「どちらが正しいか」ではなく、
- 誰にとって
- どの段階で
- 何を目的に
そのフォームを使っているのか、
この整理がされていないことです。
現実:今も多数派は「肩甲骨を寄せる」フォーム
まず事実として押さえておきたいのは、
現在でも、肩甲骨を寄せて安定させるフォームは圧倒的多数派
だということです。
- フィジーク選手
- ボディビルダー
- 一般トレーニー
- パーソナル現場
- 教科書・資格教材(NSCAなど)
特に筋肥大目的・安全性重視の現場では、
- 再現性が高い
- 肩や肘を痛めにくい
- フォーム修正がしやすい
という理由から、
肩甲骨を寄せて安定させる方法が合理的に選ばれています。
「寄せっぱなし=古い」わけではありません。
それでも「寄せない」フォームが存在する理由
一方で、
肩甲骨をあえて強く寄せない、
あるいは動きを許容するフォームで成功している選手もいます。
ただし、ここで重要なのは、
「できる人」と「おすすめできる人」は違う
という点です。
- 肩甲骨の動きとバー軌道を同時に管理できる
- 肩関節の安定性が非常に高い
- 柔軟性・身体操作に優れている
こうした条件がそろって初めて、
寄せすぎないフォームは「成立」します。
形だけ真似すると、
肩や肘を痛めやすいのはこのためです。
本当に見るべきは「寄せる・寄せない」ではない
ここで視点を切り替えます。
重要なのは、
肩甲骨を寄せているかどうかではなく、
肩関節が安定しているかどうか
いわゆる「ショルダーパッキング」ができている状態では、
- 肩が前に抜けない
- バーの重さを肩で受け止められる
- レップごとのブレが小さい
この条件がそろいます。
この安定があれば、
- 寄せるスタイル
- 寄せすぎないスタイル
- 自然なポジションを保つスタイル
いずれでも比較的安全に成立します。
「胸に効かない」「肩が痛い」人の共通点
悩みを抱える人に多いのは、
- バーを下ろすたびに肩が前に出る
- レップごとに肩の位置が変わる
- 胸ではなく肩や腕で受け止めている
これは肩甲骨の寄せ方以前に、
肩関節が安定しきっていない
ことが原因です。
この点については、前編で詳しく解説しています。
まとめ:論争に振り回されないために
- 肩甲骨の使い方に唯一の正解はない
- 重要なのは肩関節の安定
- 形ではなく「再現性と安全性」で判断する
フォームは思想ではなく、道具です。
迷ったら、
まずは一番安定する形を選ぶ。
それで結果が出ているなら、
無理に変える必要はありません。

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